「北海道の旅は『眼(ガン)の飛ばし合い』から始まった」その1

名工業高校
藤川 秀一
とは言っても、私の「眼の飛ばし合い」の相手は虎さんでしたが。
8月4日、新千歳空港に降り立った私は、一路旭川を目指しました。気温23度、さすが北海道は涼しい。(と思ったら6日からは35度という猛暑が北海道を襲った。何のためはるばる北海道に来たんだろう?)
翌5日は、あの天下に名だたる旭山動物園に開園と同時に入園しました。そして出会ったアムールタイガーさん。柵で守られた安全地帯から、私がトラさんを睨み付けると、トラさんもじーっと睨み返します。そして息詰まる数十秒、ふと「メガネを掛けたまま睨み合うのはトラさんに失礼かな」とメガネを外すと、なんとトラさんは「ふっと笑ったようにして」視線を外したのです。あたかも「もうお前とはやっとられんよ」とばかりに。
何ででしょうね、それまでの息詰まるような見つめ合いが溶けてしまったのは。メガネを外すと眼の焦点が合わなくなって、トラさんとしてはアホらしくなったんでしょうかね。教訓、眼(ガン)の飛ばし合いではメガネは外さないこと。
旭山動物園を後にした私は、大阪高生研の皆さんが待つ小樽へと向かいます。最高級駅弁「海鮮てんこめし」とサッポロ生を味わいながら。ホント真っ昼間からビールを飲むってのは何にも換え難い快感ですね。
小樽駅に降り立った私は、福岡高生研の押場先生と出会い、大阪高生研・青少年自立支援センター「ビバハウス」共催の全国大会応援プレツアーの皆さんと合流しました。
まず小林多喜二in小樽の足跡をたどるツアーで多喜二の歌碑やデスマスクの展示してある美術館を訪れました。多喜二については、特高警察にまとわりつかれたその晩年を描いた、井上ひさしの遺作となった戯曲「組曲虐殺」(集英社)がおすすめです。
余市に移動して次は大阪高生研企画「この人に聞くin余市 安達俊子氏に聞くふたたび」です。25歳の過酷な状況にいる教え子の女性を救うために急遽「ビバハウス」の立ち上げから始まった安達夫妻の奮闘を興味深く聴きました。関心のあるかたには私が購入しました「ひきこもりの若者と生きる・自立をめざすビバハウス7年のあゆみ」安達俊子・尚男、高文研をお貸しします。
そして10時からは大宴会。ここでは大阪高生研の牧口先生とのお話しが抜群に面白く、刺激的でした。ライダーの牧口先生は、マシンを駆ってこの夏すでに九州の三カ所で「出張シェフ」をやったそうです。そうなんです、牧口先生は料理の達人なんです。求めに応じて、ナント鹿肉(九州では鹿肉が手にはいるそうです)のイタリア風カルパッチョ8品をそれぞれで供してきたそうです(本当はラムがいいそうですが)。ヨダレがでそう。1ヶ月に一度くらいはお友達を招いて自慢の料理を振る舞うそうです。牧口先生のお友達になりたいですね。
牧口先生が近くにいらっしゃるのでしたら、LHRの料理天国に牧口先生を講師に招いて「馬刺」のイタリア風カルパッチョを生徒たちに伝授してもらえるのに、残念!せめて来年の名古屋大会で交流会のひとつに「イタリア風カルパッチョを学ぶ」というのが出来ればと思います。
5日の午前中は余市ニッカウィスキー工場見学。10年もののシングルモルトと17年もののブレンデッドを味わいました。美味しかったです。
さて午後からは札幌大会第1日目が始まりました。私にとって同感することの多かった田中容子先生の基調発題「授業を生活指導から問い返す」については、熊本大学の白石先生の報告をお読みください。(その2につづく)