「早春の北海道に行ってきましたぁ!」 第1話

「北海道は寒いだろうなあ」と思って、一旦洗おうとしていた厚手のジャンパーを着こみ、これまた、しまいかけていたマフラーと手袋を鞄に詰め込み、比較的寒い早朝の奈良を出発した。早春の北海道、“出会い”と“感謝”の4日間の旅の始まりである。
新千歳空港から列車で札幌に向かい、列車が地下から地上に出ると、かなり雪が残っている。それだけでなく、ちらちらと雪が舞っているのだ。寒いのは覚悟していたが、雪は念頭になかった。だから、足回り(靴)はかなり心許なかったが、どうしようもなく雪の札幌駅に降り立った。夏の大会会場、札幌サンプラザホテルで牧口さんと落ち合う予定なのだ。ところが、前夜、家のパソコンでホテルの位置を確認したとき、何をどう間違えたのかホテルの位置をテレビ塔の南側と認識していて、札幌駅から歩いてテレビ塔の南に行くと当然ながらホテルがない。コンビニで札幌の地図を見たが、僕があると思っているところにはやっぱりホテルはない。仕方なく牧口さんの友だちのIさん(牧口さんは携帯電話を持ってないので…)に電話して、地下鉄の北24条駅の近くだと教えていただいた。Iさんは牧口さんが勤めている高校の系列校の先生で、この後いっしょにお昼を頂く予定になっていたのだ。ようやく2人と会えて、北海道高生研春季ゼミナールの会場、北海道高等学校教職員センターの近くの揚子江という中華料理の店(Iさんの教え子が店をやっている)で少し遅い食事をとった。
Iさんのお住まいは定山渓の近くで、「良い温泉をご案内しますよ」という誘惑にも負けず、なんとか3時からの実践講座1に間に合うよう、ゼミの会場に到着した。実践講座1のレポーターは美唄高校の今田綾子先生で、はじめて担任を持ち、この春卒業生を出したという、みずみずしい実践報告だった。報告の中で今田さんが実は大阪出身ということが判り、非常に親近感を覚えた。とくに、大変世話のかかるA君を見学旅行で大阪へ連れて行くにあたって、先生自ら大阪のコワーイ兄ちゃん役になって、A君の対応を指導する話は笑ってしまった。が、全体としては初めての担任とは思えないほどしっかりしていて、大変な生徒を3年間よく指導されたと思う。家庭学習中にやったクラスレクの様子など、もっともっと聞きたいことがどんどん見えてくる実践報告だった。(つづく)