メールの落とし穴

 一昨日から今朝まで、西日本を台風のような風と雨が襲っていました。夕方から気温が下がり始め、明日は晴れ上がりそうです。北海道はこれからが新緑の季節でしょうか。北海道大会の応援ブログですので、押場さんのように北海道のことを書ければよいのですが、すみません、私は最近気になったことを書きます。
 みなさんは生徒との連絡に携帯電話やメールを使っておられますか?私はここ数年でずいぶん携帯メールを使うようになってきています。口頭でよりもメールの方が意思表明をしやすい生徒もいて、「メールは便利だ」というのが私の感覚でした。生徒からメールが来てこちらが返す、というのが専らの使いかたでしたが。
 ところが先週、その便利なメールの怖さを実感する出来事がありました。日曜日の午後のこと、Aくんからメールが来ました。「やっと一枚おわったところです。昨日は数学ばっかりやっていました。」件名は「R:生徒のみなさまへ」となっています。私が「生徒のみなさまへ」と題して送ったメールへの返信の体裁です。「やっと一枚」というからには金曜日に出しておいた2枚の週末課題プリントのことでしょう。・・・しかし、私は「生徒のみなさまへ」というメールを出してはいませんでした。Aくんの返信の内容から判断すると、彼は「課題は進んでいますか?」等々の内容のメールを受け取ったに違いありません。不信感が募りましたがすべては明日学校にて追求しようと思い、Aくんには「頑張っていますね」と簡単に返信しておきました。
 「すみません、友だちのいたずらだったみたいです」というメールがAくんから来たのはその直後でした。「あなたが悪いのではないので気にしないで」と返しておいて、その次の日の私の授業の時間にクラス全体に迫りました。「誰ですか?宿題のプリントのことと私のアドレスを知っているのはこのクラスの人しかいない。やった人が名乗り出るまで帰宅させません!」という強迫の果てに、「僕がやったんです」と不承不承名乗り出たのはBくんでした。“おもしろいこと”をしてノリのいいところを見せたかったということでした。匿名メールサイトにアクセスして、差出人にさせる人のアドレスと、宛先のアドレスを入れて本文をつけて送信すると、差出人にされた人の知らない間にその人が書いたようにみせかける偽のメールが送信されるという仕組みです。「信頼を壊す行為ですよ」と激怒して「そのサイトへのアクセスを君も持っているのか」と一人一人確認していったところ、数名の生徒が別々のルートで入手していました。もっとも私の怒りに触れて即座に解消してはくれましたが。
 携帯電話は今やメールでありインターネット端末であり、音楽ソフトでありゲーム機であるわけですが、若者の間に「成りすましメール」のような重大な不正が浸透しているのに私は唖然としました。私が出会ったのはクラス担任に成りすまして宿題の進捗状況を尋ねるという「かわいい」不正ではありましたが、その向こうに大きな闇が広がっているような気がしています。
             (やっと基調発題を書き終えてほっとしているY.T.でした)