二人の初参加者

青森 木村 一男

 5/25、このうえなく嬉しいお便りが届きました。
 札幌芸術の森野外美術館の美しい絵はがきに、力強い初参加の思いを書いて下さったK子先生からでした。
5/20付けで『札幌大会:青森高生研ツアーで参加しよう!!』と呼びかけたお便り(A4・2枚)を作成し、リーフレット・申込用紙を同封して約20名に発送したのですが、札幌ご出身だと以前おうかがいしたことがあるK子先生にもご案内しました。
「講演だけでも参加してみませんか」と、今思うと遠慮がちな一筆を添えてお誘いしたのです。そうしているうちに第1号のお返事として早速届いたのが、2月の東北ブロックゼミ(青森大会)にも参加して下さったK子先生からでした。
「札幌大会のご案内ありがとうございました。“もちろん!”行きます。通し3日間出席します。」と。思わず私は歓声をあげました。また数日後、大阪の佐藤先生からは、K子先生からアフターツアー参加のお便りもあったとのお知らせをいただきました。
私は自分の腰の引けた呼びかけを恥じました。そして同時に、札幌大会参加への新たな喜びがわきあがってきました。すぐに案内を発送した人たちにK子先生初参加のお知らせのメールを発信しました。青森市のYさん、Kさん、十和田市のOさん、八戸市のTさんからも次々に参加の連絡が入りました。今のところ確実な参加者は6名です。昨年も大阪大会Y子先生が初参加してくれましたが、初参加者が居てくれるのは本当に元気の出るものです。
それでは初参加者はどうして生まれるのか。昨年の大阪現地実行委員会が学びの要求を掘り起こし、同時に大会の内容や構成、参加費などについて、より参加者の立場に即した在り方を追究した取り組みが思い起こされます。また、ふだんのサークル活動での学習や交流を大切にし、遊び心も刺激するお楽しみメニューもしっかりと抑えるスタンスも教訓的でした。
県サークル活動でも参加者が広がらないという悩みをかこちつつ、今回の私のように気が付かないうちに腰が引けているということが多々あります。他者に働きかけるということの意味を常に問い直していくことの重要性を、初参加者の登場が教えてくれます。
K子先生からのお葉書を見て、私は自分の全国大会初参加の時のことを思い出してみました。 
私は昨年3月、35年間の教員生活のゴールを迎え、シニア高生研の仲間入りをしているのですが、
やはり忘れもしない1977年(昭和52年)、29才、採用3年目で3年生担任の夏、静岡県伊豆長岡大会が初参加でした。当時勤務していた三沢商業高校では、県事務局長も同期赴任で同じ学年の先生でした。先輩会員も複数名居て、新米担任は随分鍛えられました。
 初参加が一層思い出深いのは、12泊13日の日程の中に全国大会が含まれていたからです。まずは横浜に途中下車し、その年の2月に定時制高校に転校した双子の姉妹の勤務する会社を訪問。(家庭にいたたまれない事情があって、家出同然で行方不明となった二人を、ひそかに社会人の姉が県外に脱出させてくれたのでした。しばらくして姉との信頼関係が出来たとき、姉はそのことを私に打ち明けてくれました。) 二人が所属していた演劇部顧問の先生も全国大会参加で、一緒に姉妹の勤務先を訪ねました。私は妹を担任していたのですが、会社の方に事情を説明するまでもなく、二人の真摯な生活と勤務態度は、すでに会社の方たちの信頼を得ていて、本当に安心したものです。一緒に夕食をとり、ほっとして伊豆長岡に向かったのを今も鮮明に覚えています。
 高生研全国大会が終わった後、同行の先生たちと別れ、岡山県倉敷でのインターハイへ。ソフトテニスの顧問をしていたのですが、現地でもう一人の顧問の先生、選手たちと合流。身もだえするような炎天下の試合で、選手の一人は日射病で倒れました。
 その後はまた一人で広島市へ。同じ下宿にいた先生と現地で合流して原水禁世界大会に参加。
 そして大会が終わって同じその先生と、今度は熊本県阿蘇で行われる商教協全国大会へ向かいました。帰りは妹の居る博多で1泊。青森に帰ったときは財布の中は空っぽ同然でした。
 私にとっての高生研全国大会初参加の思い出は、当時の私の生活丸ごとが思い出されるものです。
 
 一人でも多くの初参加者を増やしていくこと。それは大げさに言うと、その人の人生の大きな節目に同席することなのかもしれませんね。ねばり強くがんばりたいものです。

 ちなみに今年の札幌大会は、私にとって19回目の全国大会となりますが、全国大会は楽しみを与えてもらう場ではなく、自ら楽しみを見いだし創りだしてゆく場だと思っています。今大会の特徴である「大交流会」も、現在現地の皆さんを中心にいろいろ構想・準備が重ねられていると思います。
 同じ参加をするのでも、参加者各自が工夫をした参加の仕方をしませんか。
 先ほどの参加呼びかけのお便りに次のように書きました。実現できるか分かりませんが、各県各支部、各参加者に「刺激」を与えるために(ちょっとエラそうですみません)、ちょっと一部紹介します。

 ◆(6)2日目「 大 交 流 会 」
8/7(土)18時から、今大会の目玉企画ともいうべき「大交流会」が行われます。
例年、1日目と2日目の夜に「交流会」が設定されています。青森大会では「基調を深める」「青年の雇用を考える」などの“学習型”の内容と、「たこやきLHR」などの“ワークショップ型”、そして「大間マグロ」「地酒」「津軽三味線」などをテーマにした“お楽しみ交流型”などが企画されました。
今回は、現段階では1日目に「基調を深める」と、大阪担当の“学習型”の企画が予定されています。
そして2日目の夜に、この「大交流会」が主として現地の企画で行われます。
高生研全国大会ではあまり例を見ない企画ですが、参加者が一堂に会して、文化行事を織り交ぜながら楽しく交流しようというものです。
本場のビール飲み放題にバイキング料理で、2時間楽しもうという企画です。
<提案> 100名以上の参加を目標にしている大交流会です。会場でぜひ青森高生研をアピール出来るような「旗 印」や服装、あるいはパーフォマンスをみんなで考えませんか。
・ 旗 印 … お手製ののぼり、はたざおにビニールの金魚ねぶた
・ 服 装 … おそろいのTシャツを用意して(Tシャツづくりのプロ吉田先生、いかがですか)。大間マグロTシャツだと少し高いかな。
・ パフォーマンス … 全国委員会で、青森で太鼓を叩いてくれないかなあという話しも船橋先生からありました。太鼓を現地で用意できるかなということもありますが。

 以上ですが、皆さん、青森に負けじと、大交流会参加マル秘作戦をご準備下さい!!
 札幌でお会いできるのを楽しみにしています。
 現地事務局の皆さん、がんばって下さい!!
                                    以上