「早春の北海道に行ってきましたぁ!」 第4話

 JRとバスを乗り継いで余市駅に着くと、先ほどまでとは打って変わって雪が激しくなってきた。そんな中、ビバハウスの方が迎えに来て下さり、車でビバハウスへと向かったが、降る雪が激しくて辺りの様子が判らない。こんな雪道の経験がない僕には、道なき原野をひたすら走っているように思えた。ときたま遠くに灯りが見えたと思うと、それが近づいて来て、対向車のヘッドライトだと分かるという状態だった。

 ところで、ビバハウスというのは北星余市を退職された安達俊子さんと尚男さんがつくられた青年支援施設である。一昨年夏、青森大会の後泊ツアーで、一宿の恩義を受けたところでもある。この時期は、北星余市へ進学する子どもを慣れさせるための受け入れなどで、変忙しい時期ではあった。が、俊子さんも尚男さんも満面の笑顔で我々を出迎えて下さった。ハウスの若者と一緒に夕食を頂き、その後、夏の全国大会のプレツアーの話を詰めた。現在、ビバハウスは、政府がやっと重い腰を上げ、青年の支援に乗り出した動きを受け、大変忙しい状況になっているが、俊子さんの講演をはじめ、小林多喜二の研究会への紹介や、マイクロバスの手配まで、さまざまなことに協力していただけることを約束していただいた。

 その後、5年前に初めて余市を訪れた際、泊めいただいた、余市駅近くの施設に案内された。その家屋は明らかに傾いていて非常に危険な状態であったが、中村・佐藤に言わせると、5年前に比べ、ベッドの入った個室が増設されたり、多少なりともグレードアップされているそうである。しかし、まかないの京子さんがつくってくれた翌日の朝食は感動もので、いままで抱いていたマイナスのイメージがすっかり払拭された。

 朝食後、夏のプレツアーの下見で、ニッカ余市工場を見学した。朝からウイスキーもどうかと思ったが、誘惑には勝てず、しっかり試飲させていただく。そうして、4人の旅ガラスは再び車窓の人となって、一路帯広へと向かうのであった