「さすらいのライダー」

 牧口です。僕と北海道との関わりは、まずは48年前に稚内で生まれたこと、そして2番目は、高校時代に休学して、1年間大樹の牧場にお世話になったことです(2月11日のブログ参照)。そして3番目は、3月4日の「出張シェフ」に書いたように、牧場時代の知り合いで、現在北海道の畜産試験場に勤めている人との再会です。前は7年前と書いたんですが、正確には8年前の2002年のことでした。東京へ行く用事のあった僕と、その北海道の友人のTさん、そしてこれも北海道時代の知り合いで、今は東京の高校で生物を教えているDさんの3人で会うことにしました。食事をしながらの会話で、「実はぼく、料理が趣味やねん」と言ったら、Tさんが「ほんまかいな。そうやったら一度うちに来て料理してよ」と言ったことがきっかけで、久しぶりの北海道行きが実現したんですね。
 どうせなら昔の知り合いに連絡しようということになって、いろいろ声を掛けているうちに23年ぶりの大同窓会といった雰囲気になってきました。Tさんの同級生で、早世されたSさんのお連れあいとその息子をはじめ、総勢20人近くも牧場に集結し、懐かしい面々との再会と相成りました。牧場では直営のレストラン(というほど立派な建物ではありませんが、お肉の味は抜群です。アフター企画の次の日はここに行く予定ですので、まだお付き合いできるという方はご連絡ください。)があって、食べきれないほどのお肉と生ビール、そして十勝の高級ワインをいただきました。
 その「同窓会」の前日、新得のTさんのお宅で初「出張シェフ」をして以来、1回だけお休みをしただけで、後は毎年北海道へ渡り、新得で何日間かシェフをし、その前後は道内をキャンプして回る、というのが僕の年中行事になりました。道内の様々なキャンプ場に泊まり、温泉を訪ね(それもできれば無料の露天風呂)、いろんなアクティビティにチャレンジしてきました。そうそう、道内のラーメンを何食食べられるか、をテーマに回ったこともありました。

 ある年、生まれ故郷である稚内に行ってみました。親父の職場であったレーダー基地を遠くから眺め(つまり、分かりますよね)、市内の無料キャンプ場でテントを張って泊まりました。近くにいた人と夕食を共にして話をしていたら、その人も自衛官で、岡山あたりから2泊3日ぐらいの強行軍でやってきたと言っていました。

 僕自身は、稚内には1年もいなかったので記憶はないんですが、ここで生まれたのかと思うとある種の感慨を覚えました。皆さんは、生まれた場所を訪れたことがありますか? ルーツを求めるということは、人間の本能的な欲求なのかもしれません。