北海道大会は 昼メシが楽しみ  札幌は定食充実都市!? 其の五

  札幌のホテルは充実朝食バイキング

 観光客やビジネスマンの往来が激しくなるとホテルの需要が増す。札幌はまた、ホテル文化の花開く都市である。中でも伝統と格式があるのが「札幌グランドホテル」(大通り近く)。
 明治以降、開拓のすすんだ北海道の中心地、札幌には洋食が早くから伝わっていた。官吏や実業家など一流の人々は洋食に慣れ親しんでいたが、外国料理が一層広がったのは1934年の札幌グランドホテル開業以降だ。日仏米露英…各国のバラエティ豊かな食を提供していた同ホテルも、戦争が始まり外国の食材輸入が難しくなった。そのとき豊かな北海道産の食材に目が向けられ、これが「道産料理」誕生のキッカケとなったとのこと。今で謂うところの地産地消だ。ここの朝食バイキングの質の高さは定評がある。
 もっとも札幌のホテルは総じて朝食のレベルが高いという。ホテルの数が多く、互いに切磋琢磨する状況の中厨房で働く料理人の腕も磨かれ、また流動性も出てくる。ホテルで修行してから洋食屋、定食屋、中華料理店…を開店するのも世の必定。ホテルの充実が、札幌の定食の充実につながっているのだろう。


大阪 中村貴彦